法人向けクラウドvs NAS 自社に最適なデータストレージは？
デジタル化が急速に進む中で、データを保存・管理するための最適なストレージを見つけることがますます重要になっています。多くの企業や個人がデータの保存や共有のためにNAS（Network-Attached Storage）および
クラウドストレージの導入を検討しています。データ量が急増する現代のビジネス社会で効率的かつ安全なストレージソリューションを選択することは、企業にとって重要な課題の一つと言えるでしょう。今回は2種類のデータストレージについて詳しく比較し、それぞれの長所と短所、費用について詳しく解説します。
目次
1. クラウドとは？
出典 : Freepik
ネットワークを通じてアクセスできる、サーバーとそのサーバーで動作するプログラムを指します。このストレージを利用すると、インターネットを介してアクセス可能な場所からデータを保存し、管理することができます。
1) クラウドの長所
👍 拡張性
ユーザーの要求に応じてストレージ容量やコンピューターリソースを簡単に調整できます。必要に応じてリソースを追加したり削減したりできるため、効率的なデータ管理が可能です。特にデータ保存や処理の需要が変動する企業にとって非常に有用です。
👍 初期費用の削減
初期のハードウェア購入費用を削減でき、容量や人数に応じた費用のみを支払います。これによりリソースの無駄を減らすことができ、データの維持やアップグレードもストレージ提供業者が行なってくれるため、追加費用の削減が可能です。
👍 アクセス性
インターネットさえ接続されていれば、いつでもどこでもストレージデータにアクセスできます。リモートワーカーや支社で働く従業員も同じデータに簡単にアクセスでき、パートナー企業との共同作業も可能になるため、業務効率が向上します。
2) クラウドの短所
👎 障害時の原因分析の困難さ
データストレージのインフラや管理システムは、ユーザーが直接アクセスしたり原因を分析したりするのが難しい形で運営されています。そのため、システム障害が発生した場合、サービス提供者の管理範囲にアクセスしたり分析したりすることが不可能です。このため、問題解決に必要な情報を十分に得られず、迅速な対応が難しくなることがあります。
👎 インターネットへの依存性
使用するにはインターネット接続が必須であるため、ネットワークが不安定な状況では必要な情報やデータへのアクセスが困難になることがあります。インターネット問題が発生すると業務全体に大きな影響を及ぼすため、企業や個人は常に安定したインターネット環境を維持する必要があります。
👎 費用の変動性
初期費用が安いとはいえ、ストレージの使用量に応じて費用が変動するため、予算管理が難しくなることがあります。データ使用量が急増すると予想外の出費が発生することがあり、企業の予算計画に影響を与えることがあります。
2. NASとは？
出典 : Freepik
NASはネットワーク結合ストレージ（Network-Attached Storage）を意味し、ネットワークに接続してファイルを保存し、共有できる一種のハードドライブの役割を果たすデータストレージです。
1) NASの長所
👍 柔軟性
ハードドライブを追加したり、より大きなドライブに交換したりすることで、必要に応じてストレージ容量を簡単に拡張することができます。データが増える速度に合わせてストレージ容量を柔軟に増やすことができ、バックアップソフトウェアやメディアサーバーなどの追加ソフトウェアのインストールも可能です。
👍 データのセキュリティ
ローカルネットワーク内でデータが保存・管理されるため、外部からのハッキング被害も比較的低いといえるでしょう。ユーザーアカウントやアクセス権限を設定することで特定のファイルやフォルダーへのアクセスを制限でき、機密情報を保護できます。バックアップおよび復元機能も備わっているため、データ損失に備えることができます。
👍 データの中央管理
すべてのデータを中央で管理する集中管理により、データの重複を減らし、データの整合性を維持しやすくなります。また、管理者が一箇所で全ネットワークのデータ状態をモニタリングでき、必要に応じてバックアップおよび復元作業を効率的に行うことができます。
2) NASの短所
👎 初期費用
ストレージ構築のためにハードウェアを購入する必要があり、初期費用が発生します。デバイスと共にハードドライブを追加購入する必要があり、状況によってはネットワークインフラをアップグレードする必要もあるかもしれません。
👎 定期的なメンテナンス
設置および設定、メンテナンスに技術的な知識が必要です。オペレーティングシステム、ユーザーアカウント管理、データバックアップ設定など、さまざまな設定作業を行う必要があるため、IT経験のないユーザーには難しい場合があります。定期的なメンテナンスとソフトウェアのアップデートも必要です。
👎 物理的損傷のリスク
物理的なデバイスであるため、故障、火災、盗難などのリスクが存在します。このようなリスクに備えるためには、追加の物理的セキュリティ対策が必要であり、重要なデータを保護するためには定期的なバックアップも不可欠です。
3. クラウドvs NAS 比較
| クラウド | NAS | |
| 定義 | ネットワークを通じてアクセスできる、サーバーとそのサーバーで動作するプログラム | ネットワークに接続してファイルを保存し、共有できるストレージ |
| 長所 |
- 拡張性 - 初期費用削減 - アクセス性 |
- 柔軟性 - データのセキュリティ - データの中央管理 |
| 短所 |
- 障害時の原因分析の困難さ - インターネットへの依存性 - 費用の変動性 |
- 初期費用 - 定期的なメンテナンス - 物理的損傷のリスク |
| 費用 | 初期費用が少なく, 使用量に応じて変動 | 初期費用が高いが、固定費用発生 |
1) クラウドはこんな企業におすすめ！
- リモートワークを推進する会社: インターネットさえあればどこからでもアクセス可能で、さまざまな場所で働く従業員が円滑に共同作業を行うことができます。リモートワークが日常化している現代のビジネス環境に特に適していると言えるでしょう。
- 急成長中のスタートアップ: スタートアップは急速に変化するビジネス環境に対応するため、迅速にリソースを拡張または縮小する必要があります。使用した分だけ費用を支払うことで初期費用を削減し、リソースを調整することができます。
- ITインフラ管理人員が不足している中小企業: ストレージサービスのメンテナンスや障害復旧は提供業者が行なってくれるため、専任のITインフラ管理人員が不足している企業に適しています。
2) NASはこんな企業におすすめ！
- 大容量データを処理する会社: 高速なデータ転送速度と大容量のデータ処理が可能で、多くのデータを迅速に処理する必要がある企業に適しています。ローカルネットワーク内で迅速かつ安定したデータ転送を提供します。
- 内部情報のセキュリティが重要な企業: ローカルネットワークのみアクセス可能で、機密性の高い社内情報の管理と保護が必要な企業に適しています。自社サーバーを通じてデータアクセスを厳格に管理できます。
- 長期的なコスト削減を目指す企業: 初期構築費用は高くなりますが、それ以降の支払いはなく、長期的に利用できるため、大規模データを継続的に保存・管理する必要がある企業にとって効率的なソリューションとなります。
それぞれの長所・短所を考慮して、企業のニーズと環境に最適なストレージソリューションを選択してください！
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